左官の工法

漆喰塗

湿気の呼吸性や断熱性に優れ、種類も豊富。

漆喰塗土蔵風の旅館外観

ナマコ壁を効果的にあしらった漆喰塗土蔵風の旅館外観
特色

漆喰は、消石灰に砂、糊、スサなどを混入した日本独自の塗り壁仕上げ材料を使います。城郭や土蔵など伝統的建物に塗られた純白の漆喰壁が広く知られるが、色粉を加えた色漆喰や材料に糊を使わない土佐漆喰など、その種類は実に豊富である。最近は材料が入手しづらくなっているが、自然のサイクルに適合した塗り壁として、その価値が再び見直されてきた。

施工工程

強度が低いため、塗り厚を薄くし、塗り回数を多くするのがポイント。木摺下地の場合、とんぼの一つを延ばして下塗りし、木摺間に十分に摺り込む。下塗り後は10日以上おいて、ムラ直しを行った後、残りのとんぼを摺り込んでいく。上塗りは中塗りが乾ききっていない状態を確認して行う。これより前工程では出来る限り通風をなくすのがよいが、上塗り後は逆に通風を与えて乾燥させるようにする。低温下での施工は避ける。

仕上げ
【磨き仕上げ】
麻スサを数層にわたって塗り付けた上に、さらに紙スサを数度にわたって塗り付け、最後に押さえ込んで、磨き鏝や手擦りで丹念に磨き上げる。相当な日数を要する最上級の仕上げ。
【鏝押さえ仕上げ】
磨き仕上げより塗り付ける層の回数を少なくし、最上層は磨かずに鏝で堅く押さえ込んで仕上げる。表面の質は鏝のかけ具合によって微妙に変わってくる。
【色もの漆喰仕上げ】
中塗りが終わり、約1日放置した後、水引き加減を見て色もの漆喰を薄く塗り付けていく。その後、数層にわたって色もの漆喰をムラなく塗り付け、最後に撫で鏝で通し撫でを行って丁寧に仕上げる。冬場の色もの仕上げはムラが出やすいので避ける。
テクスチャサンプル

漆喰押さえ仕上げ
漆喰押さえ仕上げ

土佐漆喰押さえ仕上げ
土佐漆喰押さえ仕上げ

漆喰引摺り仕上げ
漆喰引摺り仕上げ

黒漆喰本磨き仕上げ
黒漆喰本磨き仕上げ

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