セメントモルタル塗
バランスの取れた機能を備え、多様な仕上げが可能。
改修工事を受けた外国大使公邸の玄関部外観特色
ポルトランドセメントを主材料にした塗り工法。建築材料として十分に満足しうる強度・耐水性・防火性を備え、しかも材料の普及度や経済性も高い。そのため現在最も普及した工法の一つとなっている。通常は各種塗り材の下地として施工される場合が多いが、混和材料や骨材を調整することによって、多様な性質と表情を備えた仕上げ塗りが可能である。
施工工程
乾燥による収縮が大きく、剥離、ひび割れが発生することがあるので、一工程内の作業については乾燥時間に留意しながら作業を進める。特に鏝押さえの場合、時間をおいて押さえると付着力が損なわれるおそれがあるので、手早く仕上げる必要がある。逆に工程と工程との間では、十分に時間をおいて乾燥させ、硬化をはかってから次の工程に進む。なお、仕上げ厚が20mm以下の天井・壁は中塗りを省略する場合がある。
仕上げ
- 【刷毛引き仕上げ】
- 塗布したモルタルの表面がまだ柔らかいうちに、刷毛目正しく水平に弾き通して仕上げる。吹きつけ仕上げの処理として扱われることも多い。
- 【金鏝押さえ】
- 木鏝でならしたモルタル表面を手早く金鏝(仕上げ鏝)で強く押さえて仕上げる。特に既調合の軽量モルタルはこの仕上げが適しており、塗りつけると共に仕上げるのが原則。
- 【色モルタル仕上げ】
- 中塗り後、その上に色モルタルを塗り厚5mmに塗る。
- 【掻き落とし仕上げ】
- 中塗り後、その上に仕上げ材を6mm以上塗布し、堅くなった頃合いを見て、鏝・金ぐし・ブラシなどの道具でムラなく掻き落として仕上げる。混入する砂の粒度を下げると、しっとりした表情を出すことができる。
テクスチャサンプル
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