シックハウス症候群とは?
最近、住まいの気密性や断熱性が高まるにつれて、合板などの建材や壁紙などの内装材・接着剤、その他から発生するホルムアルデヒドをはじめ、様々な揮発性有機物質が室内に滞留し、空気を汚染することになりました。それが原因となり、目の痛み・頭痛・吐き気・皮膚炎・咳その他の色々な症状があらわれるようになり、それらを「シックハウス症候群」と総称されるようになりました。
室内空気汚染の可能性のある化学物質
住宅室内の空気を汚染する化学物質には多様なものが考えられますが、一般的に使用される住宅建材・施工材から放散される可能性や健康への影響の可能性等が考えられる物質として、主に下記のようなものがあります。
化学物質 | 主な用途について |
---|---|
ホルムアルデヒド | 合板・パーティクルボードなどに使われる接着剤を原料として、また、壁紙、壁紙用接着剤の防腐剤としても利用されます。 |
トルエン・キシレン | 接着剤や塗料の溶剤などで利用されます。 |
木材保存剤 (現場施工用) |
木材の防腐・防虫、防カビを目的とした薬剤。土台などの木材の処理や土壌の処理に利用されます。 |
防蟻剤 | 白アリによる建物などの被害を防ぐために用いる薬剤。土台などの木部の処理や土壌の処理に利用されます。 |
可塑剤 | プラスチック(ポリ塩化ビニルなど)の材料に柔軟性を与えたり、加工しやすくするために添加する薬剤。ビニルクロスや合成樹脂系のフローリングなどに利用されます。 |
表1 ホルムアルデヒドの人体への影響(ECA:欧州共同研究機構)
影響 | ホルムアルデヒド濃度(ppm) | |
報告値 | 推定中央値 | |
においの検知 | 0.05〜1 | 0.08 |
目への刺激 | 0.008〜1.6 | 0.4 |
のどの炎症 | 0.08〜3 | 0.5 |
鼻・目への刺激 | 2〜3 | 2.6 |
流涙 (30分間なら耐えられる) |
4〜5 | 4.6 |
強度の流涙 (1時間しか耐えられない) |
10〜21 | 15 |
生命の危険、浮腫、炎症、肺炎 | 31〜50 | 31 |
表2 ホルムアルデヒド規制値及びガイドライン値(ECA:欧州共同研究機構)
機関・国名 | 規制値・ガイドライン値 |
WHO | <0.08ppm |
ノルウェー | <0.05ppm |
日本(厚生省) | <0.08ppm |
オーストリア | <0.08ppm |
カナダ | <0.10ppm(当面) <0.05ppm(目標) |
オーストラリア | <0.10ppm |
ドイツ | <0.10ppm |
アメリカ合衆国 | <0.10ppm(EPA) <0.40ppm(連邦政府) |
イタリア | <0.10ppm |
オランダ | <0.10ppm |
スウェーデン | <0.11ppm(50%RH) <0.17ppm(最低レベル) |
デンマーク | <0.13ppm |
フィンランド | <0.13ppm(1981年以降の建物) <0.25ppm(上記より古い建物) |
スイス | <0.20ppm |
スペイン | <0.40ppm |